レクサプロの副作用や離脱症状について把握

レクサプロの副作用について知っておこう

 

レクサプロは抗うつなどに効果があるSSRIとなります。どうしても長期服用になりやすいという側面があるため、「副作用が心配」と言う人もいるでしょう。

 

ここでは、レクサプロの服用時に気になる

 

  1. レクサプロの副作用詳細
  2. レクサプロの離脱症状

 

これらのポイントについて解説していきます。

 

目次

 

レクサプロの副作用確率・割合

 

レクサプロの添付文書を見ると、副作用の出る確率・割合がデータで提示されています。1,000件以上のデータから導いた確率なので、信憑性は高いです。

 

病例 副作用発生確率
うつ病、うつ状態

65.2%

参考ページ:レクサプロ添付文書

 

↑の表はレクサプロ副作用の確率となっていますが、だいたい65%の副作用率となっています。なので、3人に2人はなんらかの副作用が出ると考えていいでしょう。ただ、レクサプロだけ副作用率が高いわけではなく、SSRIはたいてい40~70%の副作用率となっています。つまり、SSRIは比較的副作用の強い医薬品ということになります。

 

それと、副作用の出方や強弱には個人差があります。中には、「副作用はなかった」「途中でなくなる」といった人もいるでしょう。なので、レクサプロの効果が良い形で出ているのであれば、副作用はある程度我慢するというのも手でしょう。重要なのは、あらかじめどんな副作用があるのか知っておき、対策を立ててくことです。服用を継続するかどうかは、副作用の出現の仕方次第です。

 

精神系症状~眠気、頭痛、めまいなど~

 

レクサプロの副作用でもっとも多いのが、精神系の症状となっています。

 

5%以上 1~5% 1%以下
頭痛、傾眠(眠気)、浮動性めまい あくび、不眠症、体位性めまい、感覚鈍麻、易刺激性(いらいら感、焦燥) アカシジア、睡眠障害、異常夢(悪夢を含む)、激越、不安、錯乱状態、躁病、落ち着きのなさ、錯感覚(ピリピリ感等)、振戦、リビドー減退、歯ぎしり

※頻度不明:パニック発作、精神運動不穏、失神、幻覚、神経過敏、離人症、ジスキネジー、運動障害、無オルガズム症

 

精神系症状での多いのが

 

  1. 眠気(22.6%)
  2. 浮動性めまい(8.5%)
  3. 頭痛(8.2%)

 

↑の3つです。眠気に関しては、5人に1人以上の人が感じる、確率のもっとも高い副作用となっています。

 

精神系の副作用症状が多い原因は、レクサプロの作用そのものにあります。レクサプロはSSRIとなり、脳内のセロトニン量を増やす作用があります。

 

セロトニン 眠気の調整や、衝動的な欲求(食欲・性欲)を抑える作用を持つ

 

↑がセロトニンの役割となります。レクサプロの服用によって適切にセロトニンが増えればよいのですが、セロトニン量のバランスが乱れることもあります。そうなると、眠気が強く出たり、あくびが止まらない、不安を感じる、ぼーっとするといった状態になります。また、性欲が落ちるといった方向に症状が出る人もいるようです。

 

また逆に、不眠の症状が出たり、攻撃性が増してイライラ・そわそわするといった例もあります。これはセロトニンなどの神経伝達物質のバランスが乱れているからで、「眠気」「不眠」のどちらにも振れる可能性もあるということなのです。

 

また、寝ている間の症状も気になるところです。悪夢を見やすくなる、寝汗をかく、歯ぎしりが多くなるなどの報告があります。悪夢を見やすいためか、早朝覚醒をするケースもあるようなので、レクサプロが睡眠の質を上げるということはあまり期待できません。

 

なお、抗うつ剤や抗不安剤でよく見られる「めまい」「ふらつき」などの副作用症状は、レクサプロでも見られます。転倒やケガにつながることもあるので、あらかじめ注意しておきましょう。また、ビリビリ、むずむず感じる「しびれ」のような感覚も出る可能性があるので意識しておきましょう。

 

対策としては、レクサプロの服用量を減らしたり、医薬品の変更をするといった手があります。SSRIの中には、レクサプロよりやや副作用率の低いものがあるので、切り替えて相性を確認していくのもアリでしょう。いずれにしても、医師と相談して決めていくようにしましょう。

 

消化器系症状~悪心、口が渇く、吐き気など~

 

レクサプロで精神系症状並みに多いのが、消化器系の副作用です。

 

5%以上 1~5% 1%以下
悪心・気持ち悪い(20.7%)、口渇 腹部不快感、下痢、食欲減退、胃痛、腹痛、嘔吐、便秘 腹部膨満、胃炎、食欲亢進、消化不良

 

最も多いのが胃がムカムカ具合が悪くなる「悪心」で、20.7%の確率があります。口が渇く、便秘・下痢、吐き気、食欲減退といったよくある消化器系症状についても、比較的高い確率となっています。

 

これらの消化器系症状の原因も、「セロトニンが増えたこと」が挙げられます。レクサプロは脳内のセロトニンを増やすことができますが、実はセロトニンの受容体は体中にあるのです。中でも消化器には多くのセロトニン受容体があり、セロトニンが増えて受容体が刺激されることで吐き気や下痢・便秘などが起こることになります。おならがくさい状態になるのもこれが一因となります。

 

また、たいていは食欲減退によって体重が減る・痩せることが多いですが、人によっては食欲増加の方に働くこともあるようです。その結果、過食に至って太る・体重増加するケースもあります。

 

現実的な対策としては2種類あります。一つは、身もふたもありませんが、「とにかく我慢する」という方法です。体はセロトニン増加に慣れてきて、消化器系の症状が治まってくることがほとんどです。1~2週間経過すれば、90%程度の確率で消化器系の症状は薄れていくと言われているので、「我慢する」というのは実は有効なのです。

 

二つ目の対策は、「胃腸薬の利用」となります。レクサプロで消化器系の副作用が出やすいのはわかりきっているので、たいていの場合は胃薬が一緒に処方されることが多いです。

 

薬品名 種別 備考

ガスモチン

消化管の運動を活発にする

胃腸の動きを活発にし、消化器の症状を抑制。

ガスター

H2ブロッカー

胃酸をコントロールする「H2受容体」を阻害し、胃酸の分泌量を抑制。

 

よく処方されるのは↑の2つの医薬品です。

 

吐き気が来てから胃薬を飲むのもよいですが、できれば吐き気を予想して、あらかじめ服用しておくことです。そうすれば、実際よりも少ない副作用で済ませられる可能性があるからです。もし胃腸が弱い体質なら、胃薬を処方してもらったり、市販薬を用意しておくのも手です。

 

なお、1~2週間経ってもまだ消化器系症状が消えない場合は、別の医薬品に切り替えることを検討しましょう。SSRIはたいてい消化器系の症状がつきものですが、他の医薬品にすることで症状が抑えられる可能性はあります。

 

全身症状~倦怠感、疲労、肩こりなど~

 

倦怠感や疲労感、肩こりなどの全身症状も起きることがあります。

 

5%以上 1~5% 1%以下
倦怠感 異常感 無力症、浮腫、熱感、発熱、悪寒(寒気)、疲労、体重増加、体重減少、関節痛、筋肉痛、肩こり、こわばり

 

レクサプロによるセロトニン量増加の影響は、全身に現れることもあります。セロトニンが増えると精神的に安定してきますが、増えすぎてしまうと幸せを通り越して「だるい」「疲れた」というような感覚になることがあります。また、セロトニン量の乱れによって「寒気がある」「体が熱い」などさまざまな感覚が湧いてくるケースもあります。

 

だるい気持ちと眠気の症状とが合わさって、1日中寝て過ごしてしまうようなこともありえます。その場合は、あまりレクサプロが体に合っていない可能性もあるので、一度は医師の診察を受けたほうがよいでしょう。

 

肩こりや体のこわばり、筋肉痛など、筋肉周りの症状が出てくることもあるので、運動する際はケガに注意が必要です。

 

 

肝臓症状~肝機能障害など~

 

どんな医薬品にも肝臓のリスクがありますが、それはレクサプロも同じです。

 

5%以上 1~5% 1%以下
- AST(GOT)・ALT(GPT)・Al−P ・ γ‐GTP ・ビリルビンの上昇等の肝機能検査値異常 -

頻度不明:肝炎

 

医薬品は肝臓・腎臓を使って代謝・排泄されます。もしこの能力がなければ、医薬品は体にずっととどまることになり、都合が悪いのです。ただ、医薬品を代謝排泄するために働いた臓器は、その分負担を受けることになります。

 

レクサプロでもこれは同じで、服用することによって肝臓に負担がかかり、AST(GOT)・ALT(GPT)といった数値が上昇することがあります。数値が上がるということは、それだけ肝臓が傷ついてしまっているということです。もともと健康だったのであればそれほど問題はありませんが、肝機能障害などで数値が上がっている場合は注意が必要です。

 

肝臓の数値は素人では判断できないので、もし健康診断などで注意を受けていた場合は、レクサプロ服用については医師の判断をもらうようにしましょう。

過敏症状~湿疹、蕁麻疹、かゆみなど~

 

レクサプロを服用した際、低確率ではありますが発疹・かゆみなどの「過敏症」が出ることがあります。

 

5%以上 1~5% 1%以下
- - 発疹、湿疹、蕁麻疹、かゆみ

頻度不明:アナフィラキシー反応、血管浮腫

 

レクサプロを服用すると、発疹や蕁麻疹、かゆみなどの「過敏症」が出ることがあります。「薬疹」と呼ばれることもあります。

 

過敏症はその名の通り「過敏に反応してしまった」ことで起こります。つまり、原因は「体質」であり、レクサプロが体質に合わない場合は免疫機能が過剰反応して、過敏症が起こることになります。

 

薬疹・過敏症はレクサプロに限ったものではなく、あらゆる医薬品に可能性があります。市販の風邪薬で薬疹を起こす人もいるくらいです。そのため、レクサプロで薬疹が出た場合、それは「不運にも体質が合わなかった」ということなのです。

 

なお、非常にまれではありますが、レクサプロで過敏症が出てしまった場合、服用は禁止となり、速やかに注意する決まりとなっています。

 

泌尿器系症状~頻尿、射精障害、月経過多など~

 

それほど確率は高くありませんが、泌尿器・性器の副作用が出るケースもあります。

 

5%以上 1~5% 1%以下
- 排尿困難、尿蛋白陽性、射精障害 頻尿、尿閉、不正出血、勃起不全、射精遅延

頻度不明:持続勃起症、月経過多

 

レクサプロには「抗コリン作用」というしくみがあります。アセチルコリンという神経伝達物質の働きを阻害する作用のことで、副交感神経を弱めてしまうことになります。副交感神経は口や食道、胃、腸をコントロールするほか、尿も制御しています。

 

つまり、抗コリン作用によって、頻尿や尿閉などの排尿困難が起こるわけです。

 

また、レクサプロを服用すると生殖器・性機能にも影響が生じることがあり、男性の場合「射精障害」、女性の場合「生理不順」「月経過多」などの形で出ることがあります。

 

尿閉などの場合、できるだけ早く解決する必要があるので、速やかに医師の相談しましょう。その上で、レクサプロをやめて別の医薬品にするなどの対策を検討しましょう。

 

その他の副作用

 

その他の副作用をまとめて解説します。

 

5%以上 1~5% 1%以下
- 動悸、回転性めまい、耳鳴、多汗症 起立性低血圧、QT延長、赤血球減少、ヘマトクリット減少、ヘモグロビン減少、白血球増加、血小板増加、血小板減少、鼻出血副鼻腔炎、味覚異常、脱毛(抜け毛)、羞明、霧視、過換気など

頻度不明:頻脈、徐脈、視覚異常、散瞳

 

その他の副作用としては、まず「循環器系」の症状があります。動悸が起こったり、「白血球」「血小板」などの血液の成分が増減することがあります。特に血液系は、貧血ぎみになる、血が止まりにくくなるなどのリスクがあるので、ケガには注意したほうがよいでしょう。

 

多汗症、味覚異常、脱毛、視覚異常(視力低下等)など、レクサプロの作用とはあまり関係なさそうな副作用が出ることもあります。病気と勘違いするのではなく、「これもレクサプロの副作用なのでは」と疑うようにして、何か気になる症状があったら医師に相談してみるクセをつけたほうがいいでしょう。

 

重大な副作用

 

レクサプロの服用によって、まれに重大な副作用が起こることがあります。

 

  1. 痙攣
  2.  

    1%以下の確率で、けいれんが起こるケースがある。

     

  3. 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
  4.  

    低ナトリウム結晶、集中力低下、記憶障害、幻覚などの症状のが起こることがある。水分制限をしつつ、レクサプロは中止する。

     

  5. セロトニン症候群
  6.  

    脳内セロトニン濃度が高くなりすぎると、不安・興奮・下痢、発熱といったさまざまな自律神経失調症状が起こることがある。

     

  7. QT延長
  8.  

    QT延長、心室頻拍が起こることがある。

     

 

いずれの場合も、レクサプロの服用はすぐに中止して、医師の診断を受けて適切な対処をしてもらう必要があります。

 

 

依存性・耐性形成や離脱症状について

 

レクサプロなどの、中枢神経や神経伝達物質に関係している医薬品は、依存性・耐性形成を持つことが多いです。つまり、長期服用すればするほど、じょじょに効き目が薄れ(耐性)、その医薬品なしではいられなくなる(依存性)わけです。

 

そして、依存性・耐性形成が進んだ状態で、急にレクサプロの服用を減らしたり、やめたりすると、離脱症状が起こることがあります。医薬成分が体から抜けていく過程で、自律神経が乱れていろいろな症状が出てくるのです。

 

  1. めまい
  2. 耳鳴り
  3. ふらつき
  4. しびれ

 

レクサプロの離脱症状の代表例としては↑があります。シャリシャリ鳴る「耳鳴り」や、手足がビリビリする「しびれ」から、「シャンビリ」と言われることもあります。また発熱などの風邪のような症状が出るケースもあります。

 

離脱症状の原因は「勝手にレクサプロの服用をやめた」ことが原因です。レクサプロを服用して体の調子が上向いてきたら、「服用を中止してみよう」と思うかもしれません。しかし、調子がいいのはレクサプロのおかげであって、やめるとさまざまな不都合が出るのです。もし断薬したいにしても、医師のアドバイスを受けてちょっとずつ減らしていくのが一般的です。逆に、離脱症状が出るのがわかっているなら、覚悟を決めてすっぱりやめるのも手です。

 

レクサプロの離脱症状は、他の精神薬に比べると並みレベルと言われています。パキシルなどと比較すると軽めですが、個人差のあることなので強い離脱症状が出ることもあります。安易に服用をやめず、スケジュールをたててじょじょに減薬・断薬していくのがよいでしょう。

 

まとめ

 

レクサプロは風邪薬や解熱・鎮痛剤などと比べると副作用が強めとなります。なので、「自分は大丈夫」と思わず、副作用が起こりやすいことは知っておきましょう。対処法もいろいろなので、あらかじめ知識を持っておくのは大切です。

 

  1. 高齢者
  2. 肝障害がある人
  3. 腎障害がある人

 

また、上記の人に関してはレクサプロの服用は慎重に行う必要があります。特に高齢者は効果が強く出やすいため、副作用の影響も受けやすいです。また、認知症を悪化させるという説もあるため、慎重な服用を行いましょう。